在宅医療の薬剤師さんを必要とする患者さんはたくさんいます

ちょっとばかり重いシチュエーションかもしれませんが、若いメディカルスタッフへの気持ちを大きく変えた出来事です。

父は癌を患っていて、田舎でありながらも、いわゆる「市立病院」という、比較的規模の大きな病院にお世話になっていました。
そちらの病院に移って3か月目。
色々な処置の甲斐もなく、転移や再発で痛みが強くなり、最後の入院生活を送っていました。

1年以上の闘病生活の中で、街の大きな病院も経験しながら、80歳を迎える父親へのメディカルスタッフの接し方がいつも気になっていました。
高齢ながら車もしっかりと運転し、パソコンの接続、エアコンの取り付け、屋根の修理だってなんだって業者よりも手際よく、完璧にこなす父でしたが、病院に行くと「高齢者」として扱われるんですね。
もちろん、仕方のないことかもしれませんが、癌という大きな病ですっかり気持ちが落ち込んでいるのに、まるで大きな小学生の患者さんみたいに応対されるのです。
優しいけど、なんかちょっと違和感を感じる家族サイドで、本人がさらにストレスに感じては・・・と思いハラハラさせられていました。
しかし、父の方がそれに合わせて上手に受け答えしながら、ちょっと苦痛そうな表情が見え隠れしていました。
冷静に考えると、それでも逆に気を遣える気力があるんだ、とホッとできたりしていましたが。

市立病院に入院後、急に容体が悪化して、入院1週間で「数日」の余命宣告を受けることになります。
毎日、入れ替わり立ち代わりスタッフの方が様子を見に、処置をしに来てくれます。
ほんとうに若い若いスタッフです。

父が比較的元気な時は、ちょっとフレンドリー過ぎないかしら?と気になっていた口調が、その頃から変わっていきます。
意識が朦朧として、それまで必死に自分でこなそうとしていた身の回りのことを手伝ってもらわなくてはいけなくなった父に、スタッフの方の対応が変わっていきます。
きちんとした敬語、父のお世話を謙虚な様子で淡々と手際よく行います。
父の尊厳を守ってくださっているようなそんな対応です。

今日か明日中には・・・と宣告されてから、3日後に亡くなりました。

こんなことなら在宅医療で父の最期を自宅で迎えたほうが良かったのかな・・・。そんな気持ちも過ぎりました。
知り合いに薬剤師で在宅医療を行っている方がいます。
<<薬剤師求人 在宅医療>>
その方に以前、在宅医療のことを聴いたことがありました。

そして、結局父の最期を看取れませんでしたが、私は全くそれに後悔はありませんでした。
父が亡くなる前、ある出来事がありました。

家族はまともに食事も睡眠も取れない状況が続いていた時に、まだ見習いくらいの若い男性のスタッフの方に言われました。
「みなさん、ご自宅に戻られて休んでください。
もし休まれている間にお父様が息を引き取られても、ご本人さんは十分お幸せですよ。
意識のあるうちに、ご家族の皆さんが傍にいられたのですから。
それよりも、皆さんの体調の方を気にしていらっしゃるはずです。
僕は、まだそんなに多くの患者さんの経験はありませんが、一番幸せなお父さんだと思いますよ」
彼は声を震わせながら話をしてくれました。

父がいた病棟は「腫瘍外科」。
田舎の総合病院の中にあるその病棟は、余命宣告を受けられた方も多いでしょう。
きっとスタッフの皆さんの対応は、そんな患者さんとの出会いを大切にした経験からにじみ出たものだったのでしょう。
意識が薄れる前、父はスタッフの方とフレンドリーなやり取りができていました。
人生最後の出会いは、この人たちだったんだなと、よい出会いに感謝する思い出です。

彼らはきっと今後も成長されて、素敵な医療人になられることでしょう。
まだまだ若いメディカルスタッフさん、頑張れ!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です